愛し合った後、相手を抱きしめて眠る僕の癖。
ソレを指摘したのは他でもない、今まさに僕の隣で寝息を立てているだ。


『周助って絶対に人のこと抱いて眠るのね』


白いシーツの上に無造作に広がる黒髪を撫で、細いの身体に腕を回しながらふと、思い出した。








「そうかな?」
「絶対そうよ。・・・意識はしてなかったのね」
「うん」
何気なく行う行為というものは自分ではなかなか気づかないで、周囲の人が良く気づいたりする。が気づいたのは僕のことをよく見ていてくれているということで、それだけ共有した時間があるということで、嬉しくなったんだ。


「・・・・・・どうして笑ってるの?」
「なんでもないよ」


少しはぐらかしたように言うと、は”フーン”と納得したようなことを言うくせに、小さく眼を泳がせるんだ。
その時、安心させるようにキスしたり抱きしめたりした後の笑顔がとても可愛いんだ。









やり取りを思い出して思わず微笑みながらを抱くと、フワリと彼女の髪からシャンプーの香がした。


「ねぇ、本当はわざとなんだって言ったらは怒るかな?」


本当は癖でもなんでもなく、わざとだと言ったなら。この瞬間が大好きで、その為だと言ったら?


「でも、それすらも嘘なんだ・・・」


捕まえておかないと不安なんだ。君はどこかへ行ってしまいそうだから。
君を誰にも見せたくないから。
不安に揺れる愛しい瞳も、安心しきって笑う、あの翳りの無い笑顔も、全部全部僕のモノ。腕の中に閉じ込めてしまえ。


「ココまで来ると重症かな・・・」




苦笑しながらも、の顔を見るとますます独占欲がつのるんだ。呆れてくれたっていい。
いつの間にか僕の胸に頬を寄せ、自分から僕の上着を掴んでいる。彼女を抱く腕に少し力を込めて、額に口付ける。




君は僕のモノ―――」





(握られた手が離れないことを祈って)